読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

インフレしないバトル系物語作り(カムイ外伝、スガルの島を読んで)

1:主人公に必殺技を持たせておきます。

2:主人公が必殺技で無双します。

3:主人公に勝てはしないけど、とりあえず必殺技を止められる敵を出します。

4:必殺技を止め、なおかつ逃げて再戦をする敵を出します。

5:主人公と同じ必殺技を使う敵を出します。

6:主人公が必殺技を崩す技を編み出し、5の敵を倒します。

 

ここまでで、かなりの分量のストーリーを描けます。

また、上位互換の技を出すわけじゃなく、使うのは「崩す技」だから主人公の戦闘能力が飛躍的に向上したというわけではないんですよね。つまりこの方法でバトルを描くのはインフレ耐性があるということです。

 

何が言いたいかというと、カムイ外伝が面白すぎます。

カムイは夙流変移抜刀霞斬り、飯綱落としといった必殺技(秘太刀)を持っています。

外伝初期こそ、霞斬りも飯綱落としもそう簡単に破られはしないのですが、徐々に止められる敵が出てきます。

ex)5話「五ツ」の、「名張の五ツ」:霞斬りを止める

(「おいらの霞斬りが破れたのは初めてだ。」「しかし二度目はきかぬ。どうする!?」)←かっこ良すぎる

6話「木耳」の刺客:飯綱落としを避ける、霞斬りを止める。(こいつ妙に強いな!?)

10話「空蝉」の刺客:飯綱落としを仕掛けられるも、相打ちを狙ってカムイを盲目状態まで追い詰める。これは後々の「下人」「狂馬」まで続く深手となる。

 

そしてやはりこの話をする際に外せないのがスガルの島でしょう。

スガルの白刃砕きで霞斬りを破られ、正体不明の敵がまさかの霞斬りを使うという展開。

技が破られた後、船の上で物思いに耽るカムイは、劇画調の作画も相まって非常に印象的です。

(「夙流……変移抜刀霞斬り……俺しか使わぬ秘太刀……」「その霞斬りを他に使うやつがいたとは…もはや秘太刀とはいえぬ……」)

 

忍びにとって、己の技を他人が知ることは破滅を意味します。この状況をぬけ出すために、カムイは、己の霞斬りを破る技である「十文字霞崩し」を会得し、霞斬りの使い手「不動」を倒します。

 

はっきりいって、カムイはもともとめちゃくちゃ強いタイプのキャラです。しかし、外伝というバトル漫画では、敵が弱いままでは面白くなりません。とはいえ、バトル漫画におけるインフレは己の寿命を縮める薬にもなりかねません。

安易にインフレをおこさず、カムイ、スガル、サヤカを中心に丁寧な内面までの描写をし、何度も読み返したくなる戦闘が描かれているスガルの島は、本当に不朽の名作であると言えるでしょう。

 

カムイ外伝のスガルの島以降はまだ読めていません・・・今コンビニ版が出ているので買っています。カムイ伝一部は全部読んでいますが、とても長いので戦闘シーンを全部見返すのは出来ませんでした。

※「術者はおのれの秘術を編み出した時その術を破る方法も考えるものだ。」は4話「むささび」におけるカムイのセリフですが、霞斬りについては考えていなかったんですかというツッコミはしないことにしましょう。霞斬りは秘術じゃなくて秘太刀だし(?)